造成工事とは山などの傾斜になっている土地や、田んぼや畑がある土地を、宅地や駐車場などの用途に合わせて活用できるように整備する工事のことです。
その作業は、ただ土地を平らにすればいいという単純なものではありません。
地震などの災害が生じた際にも、その土地の安全性を保てるように配慮する必要があります。
そのため、造成工事を行なう際は『宅地造成等規制法』にもとづき、区域内の都道府県に申請しなければなりません。
造成工事が必要となるケース
● 田んぼのように、道路よりも低い土地を高くしたいとき
● 広い土地に道路や宅地を造成するとき
● 土地に高低差があり、土砂崩れを防止したいとき
● もともと軟弱な地盤に建物を建てたいとき etc.
建物を建てる際に、その『土地』が必ずしも適した状態にあるとは限りません。
地盤の状態や現場の状況に応じて、その時々にあった造成工事を行なうことで、建物に住む人々の生活を支えています。
造成工事は一般の方からするとなかなか聞きなれない工事かと思いますが、実は身近な存在であり、必要不可欠な工事の一つなのです。
では、ここからは造成工事の作業の流れをご紹介いたします。
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造成工事 仕事の流れ
①一次造成工事
■準備工:伐採・伐根
工事前の準備として作業に支障をきたす樹木がある場合は撤去します。
その場合、樹木の幹や枝を伐採するだけではなく、根っこも抜き地中にも障害物がない状態にします。
■粗造成(土工):整地
土質試験を行ない、特性を踏まえて宅地整備のための粗造成、地面を平らにする工事をします。
あわせてコンクリートガラや石、草などを取り除き、表面を固めてきれいにします。
もともとでこぼこな土地のほか、建物の解体後や樹木の伐採・伐根後にも整地を行ないます。
土地の状況に応じて下記の工事も施工しています。
■地盤改良
田んぼや埋め立て地、あるいは以前谷・川・海だった場所は地盤が軟弱なことが多々あります。
そのため、そのままその土地に建物を建築すると将来建物の重みによって地盤や建物が不揃いに沈んだり滑り出したりして傾く恐れがあります。
『地盤がどのくらいの重さに耐えられるか』を表す地耐力。
建物の建築を計画する際には、その土地の『地耐力調査』を行ないます。
地耐力が弱い場合は地盤を改良し、土地が長期的に建物の荷重に耐えられるようにする必要があります。
地盤改良には表層部分の土にセメント系の固化材を混ぜて固める表層改良と、建物を支えるために行なう柱状改良や鋼管杭などの方法があります。
■盛土
地盤面が道路や周囲の土地に比べて低いと、大雨や台風などにより水が流れ込み、土地が水没したり建物が浸水したりする恐れがあるため、盛土をして地盤面を高くします。
また、傾斜地の地盤を平らにして、有効に利用できる面積を広げるために盛土を行なうこともあります。
盛土とは反対に、勾配部分を削って平らにすることを切土といいます。
②地下埋設物工事
水道・下水・ガスなどの生活インフラに欠かせない供給処理整備等を進めていきます。
③二次造成工事
一次造成等を経て、宅地整備や道路舗装工事等を行ない、宅地の仕上げを行ないます。
■擁壁工事:土留め(土止め)
もともと高低差のある土地や盛土によってできた斜面が崩れないように擁壁をつくります。
鉄筋コンクリートやブロックなどで壁状の構造物を築造しますが、高低差などによって構造も変わります。
■側溝工事
■道路舗装工事